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2007年02月25日

『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』 (リリー・フランキー)


リリー・フランキー / 扶桑社(2005/06/28)
Amazonランキング:435位
Amazonおすすめ度:
正直で素敵な親子愛
たわいもない日常の中で家族に心が動く瞬間
淡々と語る・・・




それはまるで、独楽の芯のようにきっちりと、ど真ん中に突き刺さっている。東京の中心に。日本の中心に。ボクらの憧れの中心に。この話は、かつて、それを目指すために上京したオトンと、ボクと、オカンのちいさな話です。



スペシャルドラマを見てかなり間を空けてから、原作をやっと読むことが出来ました。
やはり、ドラマではかなりはしょられているし、原作には無いエピソードやタイミング違いで出てくるエピソード等、違いは多々ありました。
ただ、ドラマを見てかなり時間が経っているからか、その事に違和感を感じるという程では無く、ドラマはドラマ、原作は原作として読むことが出来ました。
ただ、ドラマを見てるせいで、気付けばオカンは田中裕子さん、オトンは蟹江敬三さんを思い浮かべつつ読んでいました。
ボクに関しては、りりーさんをTVでよく見ているせいでリリーさん本人が浮かんでいました。


やっぱり泣かされてしまいました。
途中までは、泣かずに読み終わるかと思っていたんですが、無理でした。
ボクは親孝行出来なかったと思っているみたいですけど、私は、オカンはきっと幸せだったんじゃないかなと思ったんです。
だから、泣かずに済むかと思ったんですけど、終盤は何度もハンカチのお世話になってしまいました。

親が子供を思う気持ち、子供が親を思う気持ち、それがとてもダイレクトに伝わって来て、素直に読むことが出来ました。

父親不在で母と子の関係が濃密過ぎて、思春期に差し掛かったボクはオカンの傍を離れざるをえなかったんでしょう。
高校からすっかり大人になってしまうまで、離れ離れの上、留年や家賃滞納、借金と、確かに沢山の苦労を掛けているけれど、オカンはそれを苦労とは思っていなかったと思う。

息子しか頼れる人のいない東京へ出てきてからのオカンは、オカンの人柄故に沢山の友人を作り、何より、今まで長い間離れ離れだった最愛の息子が傍に居て、その世話が出来ることが幸せだったんじゃないかと、そう思います。
オカンもボクも、東京での7年間で離れ離れの時間を埋めていた様に感じました。



<その時>が近づき、「逝かないで」と切望する子供の気持ちと、<その時>までずっと子供のことを心配する親の気持ちに何度も胸が詰まってしまいました。


オカンに育ててもろうたことを、ボクは誇りに思うとるよ。


これが、オカンに対する最高の感謝の気持ちだと思いました。
息子にそう思って貰えたことが、きっと一番嬉しいと。
タグ:東京タワー
posted by 読書猫 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想【その他の作家】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月14日

『レインツリーの国』(有川浩)


有川 浩 / 新潮社
Amazonランキング:39299位
Amazonおすすめ度:
王道の恋愛小説
理屈っぽくって説明がくどい。
物語のなかの物語の結末と、物語の結末




きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった…。メディアワークス刊「図書館内乱」の中に登場する書籍「レインツリーの国」が実物となった。




『図書館内乱』の中に出てくる本を実際に書いちゃったというこの本。
『図書館内乱』を読む前に読んでた方がいいと言われてますが、予約順の関係で後になってしまったのが少し残念。
で、『〜内乱』では漠然とした架空の本だったのが「成る程、こんな内容だったのね」と明らかになっていく感じで読みました。

ただドラマティックに見せる為だけに、障害を持つ人を主人公に据えた恋愛小説ではありませんでした。
これまでは考えたこともなかった、健常者と障害者の間にある深い隔たりを再考せずにはいられませんでした。
そこには、これを読むまでは全く考えが及ばなかった問題が沢山ありました。
悪気はなくても、健常者の常識が深く障害者を傷つけているかもしれない、そしてその逆もあるなんて考えたこともありませんでした。
よかれと思ってやったことも、相手によっては不快な行為となってしまうかもしれない・・・
それまでの経験、身を置く環境があまりにも違う。
互いを理解し合う為には、沢山のコミュニケーションが必要なのでしょう。
難しい、本当に難しい問題だと、そう感じました。
posted by 読書猫 at 23:33| Comment(0) | TrackBack(2) | 読書感想【有川浩】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『風の墓碑銘(エピタフ)』(乃南アサ)


乃南 アサ / 新潮社
Amazonランキング:58657位
Amazonおすすめ度:
心に響きます
音道が心の中で滝沢に付けたあだ名、笑える。
ハラハラすることはないけれど




解体工事現場から白骨死体が3つ。そして徘徊老人の撲殺事件。貴子の脳裏で、ある「笑顔」が2つの難事件を結びつけた。白骨たちの悲しみが貴子を「信じがたい」解決へと運ぶ…。音道貴子と滝沢保の名コンビ復活!




随分前に読んだ『凍える牙』以来、久々に読んだ乃南さんの作品。
『凍える〜』で出てきた<音道&滝沢>のコンビってことで楽しみに読み始めました。

う〜ん、『凍える〜』も良かったんだけど、それよりもずっと良かった。
<音道&滝沢>が、反発したり歩み寄ったりしながら(嫌々ながらも?)<相方>としての繋がりと呼吸、信頼を築いている様がじれったかったり嬉しかったり微笑ましかったりで、このコンビが益々気に入りました。

ストーリー的にも、前作よりも深かった様に思います。
真夏の炎天下の中、刑事達が山の様な無駄足を踏みながらも小さな手がかりを求めて地道に犯人を追い求める様がじっくりと描かれていました。
実際の捜査がどんなものなのかは全く知りませんが、白骨死体や遺族の思いを感じ、無念を晴らしたいと奮闘するその地道な積み重ねは本当に頭の下がるものだと思いました。
posted by 読書猫 at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想【その他の作家】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月07日

『しゃべれどもしゃべれども』(佐藤多佳子)


佐藤 多佳子 / 新潮社
Amazonランキング:768014位
Amazonおすすめ度:
プロセスに掛ける情熱が,この物語の良さ
いい「良し」をもらった
筋の通った意地っぱり集団の連帯




しゃべりのプロだろ、教えてよ―あがり症が災いして仕事も覚束なくなった従弟の良や、気まぐれで口下手なために失恋ばかりしている美女の五月から頼られて、話し方教室を開くハメになった若い落語家の三つ葉。教室には苛めにあってる小学生や赤面症の野球解説者まで通ってきて…。嘘がつけない人たちの胸キュン恋愛小説。



気になりつつもなかなか図書館に予約を入れず、予約を入れてもなかなか順番が回ってこなくて読むのが今になってしまった。
どうしてもっと早く読まなかったんだろうと思う程、佐藤多佳子さんは私のツボに入る作風でした。

喋ることに何かしら問題を抱えた風変わりな人達が、短気でお人好しな噺家に『まんじゅうこわい』を教わりながら自分の問題、仲間の問題と格闘する様が描かれています。
面白可笑しく淡々と事の顛末は語られ、楽しく読み進めていたのですが、終盤を迎えると、小学生の村林の頑張りにぐっと来てしまいました。

そして、ラスト。
読了後は、とても暖かい気持ちにさせてもらえました。
この読了感、とてもいいです。
posted by 読書猫 at 21:06| Comment(1) | TrackBack(1) | 読書感想【その他の作家】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月06日

『図書館内乱』(有川浩)


有川 浩 / メディアワークス
Amazonランキング:2778位
Amazonおすすめ度:
勢いは最高☆
オムニバス??
楽しく読める!




相も変わらず図書館は四方八方敵だらけ! 山猿ヒロインの両親襲来かと思いきや小さな恋のメロディを 叩き潰さんとする無粋な良化「査問」委員会。 迎え撃つ図書館側にも不穏な動きがありやなしや!? どう打って出る行政戦隊図書レンジャー! いろんな意味でやきもき度絶好調の『図書館戦争』シリーズ第2弾、ここに推参!
――図書館の明日はどっちだ!?




やっぱり面白いexclamation
な〜んにも考えずに一気に読めます。
最近ちょっとページが進まない感じだったんですが、楽しく一気読み出来ましたるんるん

今回は小牧の恋や手塚の家庭が描かれたりして、ちょっと個々のキャラにスポットが当たってました。
郁と堂上も気に入ってるし、その行く末も気にかかりますが、私的には柴崎と手塚が気に入ってたりします。

ところで、柴崎ってやっぱり只者じゃなかったんですね・・・
posted by 読書猫 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想【有川浩】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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